出版社内容情報
毎年、新境地をひらく宇江敏勝の民俗伝奇小説集、第7弾。
木遣りの歌声と男たちの掛け声が響く、山ふかい里に住むひとりの女、シナ代の七〇年の月日を、七つの連作で描く。
表題作の「熊野木遣節」、子捨ての習俗「七はぎの産着」、「神隠し」、動物との不思議な関わり「あなぐま」「狼のはなし」、雨を待つだけの「天水田」、頭に荷物をのせて運び山の男たちと一緒に働く「いただきの女たち」の7作品。
月報(8頁)付き(野添憲治、宇多滋樹、大西咲子、宇江敏勝)。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
どりーむとら 本を読むことでよりよく生きたい
16
木遣師をなりあいとしていた村のことをシナヨなどを中心として描いている。登場人物の視点で読み進めることができたので興味をもって読み進めることができた。シナヨ、里子、亜佐子、いただきの女たちなどとても自分の道を力強く生きていると感じた。第二次世界大戦が終わった時には、亜佐子などのような選択をした人も多いと思う。時代的に厳しいい中で活路を求めていこうとする姿は勇気を与える。宮本常一の「忘れられた日本人」の中に登場している人物の姿を思い浮かべた。時代の流れの中で人はどう生きていくか、今も自分たちに問われている。2024/12/01
なにょう
11
日本昔話。好きな話だった。歌を歌いながら田植えをする。苗を植えたら植えたで炎天下、草取りをしなければいけない。狼、鹿、猪もいた。土曜日、日曜日の休みもない。そういうものだ、山里の人びとは働き続ける。機械化が進み、道路もできた。道路ができて引越しが簡単になって、里の人間は減る。ある女の人から見た世の変遷。★今度、リニア中央新幹線ができるっていうけど、ほんとうにいいことなのか。結局は、東京一極集中が進むだけではあるまいか。2024/06/09
gontoshi
1
戦前、戦後の山深い山村の生活が、描かれています。 今の日本には無くなった豊かな世界が感じられます。2018/09/29
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