わたしの中の遠い夏

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  • サイズ B6判/ページ数 335p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784880084176
  • NDC分類 949.83
  • Cコード C0098

内容説明

1976年夏。ストックホルム郊外の湖畔に建つ、白い「家」。共同生活を送る、三組の若いカップルとひとりの青年。青年に思いを寄せたマリーエ。だが彼女は、スタファンと結婚する…。それから三十年の歳月が流れたある朝、新聞の赴報を目にし、マリーエは動揺する。そこには、あの夏、あの「家」でともに過ごした青年の名があった。彼が撮った映像から、マリーエは過去の記憶をたぐり寄せようとする。古い権威が崩れ、自由を手にしたかに見えた世代は今…。

著者等紹介

トール,アニカ[トール,アニカ][Thor,Annika]
1950年、スウェーデン第二の都市イェーテボリに生まれる。映画制作関係者の養成機関である国立映画演劇学校(Dramatiska Institutet)卒業後、図書館員やフリーライターを経て、1996年、『海の島―ステフィとネッリの物語』で作家デビュー。「ステフィとネッリの物語」シリーズ三作目『海の深み』で、1999年にスウェーデン図書館協会よりニルス・ホルゲション賞を、シリーズ四部作すべてに対して2000年にポーランドのヤヌシュ・コルチャック賞を、また1997年に『ノーラ、12歳の秋』(邦訳=小峰書店)でスウェーデン出版社協会よりアウグスト・ストリンドベリ賞を受賞

菱木晃子[ヒシキアキラコ]
1960年、東京都生まれ。慶應義塾大学卒業後、スウェーデンのウプサラでスウェーデン語を学ぶ。現在、スウェーデンの作品を中心に、絵本から小説まで幅広く翻訳を手がける。2009年、スウェーデン王国より北極星勲章受勲(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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七色一味

24
読破。なんというか、「ステフィとネッリ」のイメージばかりを持って読むと、間違いなく挫折する物語かも。確かにそこにあるのに、まるで雲を掴むかのように指の間からすり抜けてしまうあの夏。あの夏は、文字通り「わたし」の中にだけあるのであって、他の人から見たら、まったく別の姿をしているのかもしれない。2017/04/18

ぱせり

15
選んだ道と、選ばなかった道と。二つの道の狭間で、道に迷ってしまっているような彼女。いま、二つの道が一つに、溶けあったよう。30年前の夏の日々が、若い人たちの群像が、眩しく美しく印象に残る。あの夏の家に集った七人(八人)のだれを主人公にしても、きっとまったく異なった物語が生まれるような気がする。読めるものなら読んでみたい。 2016/05/03

慧の本箱

5
20頁ある授業中のエルマの発言が伏線となって物語は進みます。嘗て恋した男の訃報を知った主人公マリーエの揺れは、彼女の年齢が大きく作用してる・・人生の折り返し地点に立ってる時、選ばなかった人生の主人公としての自分を急に突きつけられ途方に暮れるさまが、一つ一つ現在と過去を行きつ戻りつしながら綴られて行きます。1970年前後の揺れる時代に若者だったマリーエたちならではの光と影も大きな要素となっています。じんわり心に残る作品でした。2012/07/01

遠い日

4
選ばなかった人生に思いを馳せ、想像のなかで遊ぶことは誰しもにある。マリーエはしかし、踏み込んでしまったのだ。ステフィとネッリの物語の印象が鮮烈なだけに、こわごわ読み始めたのだが、やはりトールの文章はいい。記憶と真実にじりじり迫ってゆく手法に心地よく酔う。だが、事実は真実であるのか、誰にとっての真実なのか、心は揺れに揺れる。多くは語るまい。遠い夏の日が眩しい。2011/11/16

Yuriko Iida

2
スウェーデンの児童作家の書いた、中年女性の話。児童養護施設で育った男性への想いを回想を中心に描いている。児童向けの作品も読んでみたい。2012/07/26

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