内容説明
妻は5歳の息子を残して不帰の人となった。そして15年、成人した長男は愛車を駆って恋人を訪ねた帰り、深夜の第3京浜で側壁に激突即死した。相次いで最愛の家族を失った著者が、50年の苦悶の日々を鎮魂を込めて綴った慟哭の文学。畢竟の自伝小説。
著者等紹介
須山静夫[スヤマシズオ]
1925年静岡市に生まれる。父は内務省清水港築港事務所長。静岡中学(現静岡高校)から横浜工業専門学校(現横浜国立大学)造船科を卒業。1947年農林水産庁漁船課入省。1952年夏から約1年間、GARIOA留学生として米国ミシガン大学へ留学。文学への憧憬止みがたく、明治大学文学部(夜間)3年に編入学。1954年メルヴィルの「モービー・デイック」により卒論提出、同年大学院へ入学。また越川さちと結婚し、同時に農林水産庁に退職届を提出する。1956年明治大学文学部助手。主な著作に『神の残した黒い穴―現代アメリカ南部の小説』(第1回アメリカ研究図書賞受賞、1981年花曜社)。短編小説「しかして塵は―」(『腰に帯して男らしくせよ』に収録)で第3回新潮新人賞受賞(1971年)。その他がある。明治大学・聖学院大学教授(定年退職)。同人誌『月水金』同人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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