見残しの塔―周防国五重塔縁起

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  • サイズ A5判/ページ数 359p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784880083896
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

こうして五重塔は生まれた。構想十四年、執筆四年。八十九歳の新人、デビュー!人は流転し消え失せあとに塔が残った。塔の名は瑠璃光寺五重塔。中世室町。五重塔の誕生をめぐる人びとの数奇な運命を描く歴史小説の大作。

著者等紹介

久木綾子[ヒサギアヤコ]
1919年、東京生まれ。東京育ち。旧制高等女学校、専門学校卒。戦時下、陸軍情報局監理下に置かれた松竹大船撮影所報道部に記者として勤務したことがある。同じ頃、三笠書房社主竹内道之助氏主宰の同人誌『霜月会』の同人となり、小説を書き始める。終戦の年、山口県人の池田正と結婚。義母は、池田くら。福井県小浜市の新田長太郎の姉。長太郎は、昭和天皇に、「新田義貞の戦略」で御前講演をしたことがある。結婚後は主婦専業。平成元年、夫に先立たれ、再び文学に戻る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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真理そら

62
訃報を聞いて再読。宮大工の五重塔へのひたむきな思いが瑞々しくて気持ちの良い作品。89歳の処女作という点での話題もあった。2020/07/17

たま

56
数年前に瑠璃光寺の五重塔を訪ね美しさにびっくり。15世紀の大内氏のことなど何も知らなくて、忽然と現れた美がただ不思議。読メのご感想でこの小説があることを知り早速読んだが読みにくくて苦戦した。著者は歴史や建築を大変勉強されているのだが、細かい事柄がそのまま書かれていて全然当方の頭に入ってこない。自然の描写、若者たちの恋の描写は瑞々しく、そこは面白く読んだ。椎葉村の若者と若狭の姫が塔の建造の場で出会う物語。舞台がなぜこの五重塔なのかも良く分からず仕舞だった。2023/04/11

りー

21
室町時代のお話。一つ目の筋は日向の椎葉村の少年から始まります。大工の仕事が大好きだった少年はやがて、周防の瑠璃光寺五重の塔の建設に携わることになる。もう一つの筋は、南北朝期の雄=新田一族の女たち。一族が散っていった後、僅かに血を繋いだ人々。血を繋ぐために自分を犠牲にした女たちから、軽やかに飛び立った姫。大工と姫君は塔に導かれるようにして出会い、別れていく。淡白で品のある文章ですが、読みにくいのが難点でした。2020/08/22

mustache

8
大きな構想で山口市の瑠璃光寺五重塔の建築をめぐる各地の人々の絡み合いを丁寧に描いていく。実際に五重塔を見た直後に読んだので、感動がいや増した。それにしてもこのような優れた作品が89歳の老人の手になるとは真に驚きである。2021/04/23

砥鹿遙

6
新聞書評で興味を持ったので・・・室町時代の話。日向に落ち延びた平家の血筋を引く大工、若狭に息づく新田氏の末裔の姫。それぞれ数世代の因縁を交えつつ、やがて周防の国、瑠璃光寺五重塔で巡り合う。ある程度の関連知識が必要で、スラスラと読める作品ではありません。が、その分、読み応え十分でした。人に歴史あり、建物に人の息遣いあり、です。2020/08/30

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