見世物稼業―安田里美一代記

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A5判/ページ数 325p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784880082622
  • NDC分類 779.4
  • Cコード C0076

内容説明

最後の見世物小屋芸人、“人間ポンプ”安田里美。出会って12年、亡くなって4年。気鋭の社会学者の膨大な聞き取りテープから生まれた本書は、昭和の見世物業界史であり、「ゲテモノ」芸から照らし出された昭和の芸能史である。

目次

1 四つのときにもらわれて
2 芸を覚えた青年時代
3 戦中戦後の興行
4 春子さんと出会う
5 安田興行に戻る
6 二代目を継ぐ
7 因果なもの・ネタもの
8 大荷・中荷
9 興行と呼び込み
10 マルチ芸人
11 人間ポンプ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

gtn

17
見世物という興行に生き抜いた安田里美。至芸の人間ポンプだけではない。マジック、気合術、漫才、芝居と何でもこなした安田。本書が貴重なのは、今は完全に忘れ去られた芸人たちの人となりと芸を記録としてくれたこと。昭和初期の漫才の相方、ゴリヤンこと千本家ゴリラを始めとする名もなき芸人の数々。クモ娘、女ターザン、タコ娘、カニ男、ツル男等、今では見ることができない観客の優越感をくすぐる芸。安田はインタビュー後、ほどなくして亡くなる。間に合ってよかった。2019/11/25

なー

5
子供の頃は見せてもらえず、大人になって興行中の見世物小屋を見たのは20数年前の事。仕事で急いでいて見れなかったけど、あれ以来見かけた事がない。見ておけばよかった。五円玉を飲んで、鎖も飲んで、その鎖を引っ張ると五円玉の穴に通った状態で出てくるんですって。碁石を飲んで、白と黒とお客さんが指定した色で出せるんですって。火も吹くんですって。筆者の方が安田里美さんを敬い大切に思っている様子や、安田さんの生きてきた様を残すんだという心意気が伝わってきたような気がしました。2020/03/02

sayzk

5
人間ポンプ・安田里美への膨大なインタヴュー録音を編集した内容。95パーセント程安田氏の語り形式で書かれている。著者も記しているように全てが正確な客観的事実、とは言えないだろう。くそジジィへの聞き取りご苦労がしのばれます。しかし、見世物稼業がすたれていくだけでなく、それを語り継ぐ人物までもが消えて行ってしまうのですな。しかし、図書館でこの本と出会えるとは思わなかった。呼び込みのタンカだけでもまた聞きたいな。読めて良かった。2013/10/27

鼻毛カッター

2
腹を抱えて笑ったり、ほほぅと唸ったり、なんでかんでも「わしが始めた」かよwと突っ込んだり、かなり楽しめた。生き方・存在そのものが見世物みたいな人だったんだなあ。聞き手、書き手の鵜飼氏の愛情あふれる解説もイイ2010/09/13

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/217629
  • ご注意事項