内容説明
ホフマンは二つに引き裂かれた移民の体験と、二つの文化を持つ人間のアイデンティティという困難な問題を生き生きと描写する。自伝に新次元を開いたと全米で激賞される話題作。アメリカ芸術文学協会ノンフィクション賞受賞。
目次
第1章 楽園
第2章 失楽園
第3章 新世界
感想・レビュー
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かもめ通信
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新刊情報をきっかけに再読したこの本は、1945年、ポーランドのクラクフでユダヤ人の両親のもとに生まれたエヴァ・ホフマンの自伝だ。「楽園」「失楽園」「新世界」と章分けされた中にぎっしりと詰め込まれているのは、思い出や郷愁だけでない。自由とは、言葉とは、民族性とは、文化とは……「アイデンティティの確立」といった言葉だけでは、表現しきれない、他に頼らず自分自身の目で世界を見つめ、他ならぬ自分自身を言語化しようと試みた著作は、二十数年ぶりの再読にもかかわらず、全く色あせていなかった。2020/08/17