感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
渡邊利道
2
全編書きおろし詩集。現代詩手帖のSF特集にある程度呼応している部分があるのかもしれないが（そこで論を担当された岡和田氏が解説を書いている）、詩人特有のユーモア感覚とパセティックな情感が見事にマッチして、虚空間というふうに表現されているのか、SFやファンタジーなどの文化全体から放射されているものを掬いとったかのようなスピード感のある詩篇が鏤められている。そのなかで少し異質にも思える「苦しい眠りが／隣で／誰かする」のリフレインが読後もずっと響き続ける。2017/08/03
