感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
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木と人間の存在を重ねあわせた詩集。現代詩としては読みやすく、難解なところは少ない。それでも一つ一つの言葉は密度が高く、読み手の心に深く染み込んでいく。あたふたと生きる人間にくらべて、大地に根を下ろして悠然と生を全うする樹木に対する作者の畏敬の念を感じた。「終の章」は作者の祈りのような言葉が散りばめられ、人間の存在の儚さを歌いながら、それを超えた一つの命としての樹木が美しく表現されている。2015/12/13
3月うさぎᕱ⑅ᕱ゛
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『樹木』というタイトルに合った緑色の装丁に惹かれて手にとった。樹木の詩。美しい表現力、そして樹木を外部からだけでなく内からも表現し、四季や自然と重ね合わせるだけでなく、人の一生と樹木の輪廻も重ねられる。著者の樹木に対する敬意や情熱の深さをひたすらに感じる。とてもすばらしい詩だと感じるのに、文学の才がなく味わいきれていないことが残念。2016/02/02