内容説明
言語遊びが断乎敢行される夜明け、哀愁にみちた影たちがついに姿を現し乱舞する。賑やかこの上ない―ナンセンス詩人のタクトにつれて歌いだす。
目次
絞首台の歌(絞首台の山;絞首台同盟員の同盟歌;うんにゃ!;漏斗 ほか)
二十六篇の絞首台の歌(月の羊;絞首台同盟員の歌;絞首台同盟員の春の歌;ツヴェルフ‐エルフ ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kero385
9
「絞首台の歌」という物騒な表題がついているけど、由来は怖い物知らずの肝試しのためもと絞首刑が行われた高台でピクニックし、そこで馬鹿騒ぎをするさいの即興で作った子供じみた悪ふざけの歌だそう。著作権が切れているので、Gutenberg Project-DEで全文ドイツ語原文で読める。単純な詩だけれど、日本語にするのは難しい。さすが博覧強記の種村季弘先生、上手いなぁと思う。「狼男(Der Werwolf)」という詩が面白いなと思ったら、この詩をネタにyoutubeでいくつかアニメが上がっていた。2024/12/04
ami
2
ナゾベームの第一人者である作家のナンセンス詩集。「魚の夜の歌」が白眉。2016/07/31
龍國竣/リュウゴク
1
種村季弘訳。詩のアール・ブリュットとでもいうべき作品群。「うぃぐら うぁぐら/うぁぐらいあ う゛ゅ/ちゅ ちゅ…」(「針鼠とすばしこ鼠」)。訳者の種村氏のセンスも冴えている。「うんにゃ!」という題名の詩も。ダダとの関係を綴る訳者解説も秀逸だ。2014/08/29