内容説明
本書は、ひとつの主題によって編まれている。その主題は、ふたりの男の心の交わりであり、収めた詩は、いずれもその線にそった作である。それらは、みな、作って発表するために書かれたのではない。ふたりの交わりのなかに生動した情念を詩で把えようとしている。三好豊一郎が亡くなって六年が過ぎた。いま、著者は既作の詩に未発表の詩を加えて、これを編んだ。これは彼を追悼するものであるばかりでなく、これによってふたりの間に生動した心のリズムを、明らかならしめたかったためである。ここにある命のリズムは、個人的感情や追憶を越えて伝わるものではないかと思い、またそう願ってもいる。
目次
消息―三好豊一郎
小さな窓から
刑風
老逢佳景
愁いの路は
夏の日の想い―三好豊一郎
寄友1
若いコオロギ
となりにいない友に
寄友2〔ほか〕