出版社内容情報
エーリカ・マン[マン エーリカ]
著・文・その他
クラウス・マン[マン クラウス]
著・文・その他
前川 玲子[マエカワ レイコ]
翻訳
内容説明
生と自由を求めた人々の戦いは決して「過去のもの」ではない。第二次大戦前夜。ナチスによって表現の自由を奪われ、生命の危機にさらされた多くの知識人・芸術家たちが、異国の地に亡命した。彼ら彼女らの苦悩と奮闘のさまを、自らも亡命者となったふたりの姉弟が克明に綴る。
目次
第1部 ヨーロッパの状況(国会議事堂が燃えている;警告に耳を傾けて;妥協ならず;自ら選んだ亡命;父の肖像 ほか)
第2部 アメリカの亡命者たち(美術と音楽;プリンストンのドイツ人学生の日記;音楽の夕べ;ハリウッド;本の世界 ほか)
補遺1 共感を抱く国外在住のドイツ人たち
補遺2 アメリカで活動しているドイツの学者
著者等紹介
マン,エーリカ[マン,エーリカ] [Mann,Erika]
1905‐1969。女優、作家、ジャーナリスト。ドイツの作家トーマス・マンとカーチァ夫人の長女として、1905年に生まれる。演劇を志し、演出家マックス・ラインハルトに師事、俳優として活動する。1933年にカバレット「胡椒挽き座」を立ち上げ、ナチス風刺を主とした公演活動でヨーロッパ各地を巡業した。ヒトラーの政権掌握後はスイスに亡命、のちアメリカに移住し、父トーマスや弟クラウスらとともに、主に講演や執筆活動を通して反ナチスの立場を鮮明にする。第二次大戦中はロンドンを拠点にジャーナリストとして活動した。大戦後にはニュルンベルク裁判を傍聴、報道している。一九五二年に両親とともにアメリカを離れ、スイスに移住。一九六九年、チューリヒにて死去
マン,クラウス[マン,クラウス] [Mann,Klaus]
1906‐1949。小説家、評論家、雑誌編集者。トーマス・マンとカーチァ夫人の長男として、1906年に生まれる。十代後半から短編小説を執筆、劇評もものした。創作と並行して姉エーリカとともに演劇活動を行い、「胡椒挽き座」にも参加。ナチスの権力掌握後は国外へ脱出、オランダで文芸誌『ザムルング(結集)』を編集し、亡命ドイツ作家たちに作品発表の場を提供するとともに、英米仏ほか諸国の作家たちの作品を掲載した。のちアメリカに移住、亡命ドイツ知識人と連帯するとともに、ドイツ国内に留まった知識人とも交渉を保ちながら、反ナチスの論陣をはった。アメリカ市民権を取得、第二次大戦ではアメリカ軍兵士として従軍している。一九四九年にカンヌで自ら命を絶った
前川玲子[マエカワレイコ]
立教大学文学部卒業、米国ケース・ウェスタン・リザーブ大学院(アメリカ研究科)博士課程修了(Ph.D取得)。2017年まで京都大学大学院人間・環境学研究科教授を務め、同年定年退職。京都大学名誉教授。専門はアメリカ思想史。特に1920年代~50年代のニューヨーク知識人、亡命知識人について研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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