内容説明
ラフカディオ・ハーンの諸作品の、また英米怪奇文学の翻訳者として著名な平井呈一。これまであまり知られるところのなかったその生涯を、広範な資料調査と関係者への綿密な取材をもとにたどる。加えて未発表の小説3作、評論や随筆、俳句、縁者の回想録等を併載し、平井呈一という一人の文学者の全体像を明らかにする。
目次
第1部 平井程一年譜
第2部 未発表作品・随筆・資料他(未発表作品;評論・随筆・解説他;呈一縁者による回想記)
著者等紹介
荒俣宏[アラマタヒロシ]
作家・翻訳家・博物学者。京都国際マンガミュージアム館長。平井呈一に師事、平井から紹介された紀田順一郎とともに、怪奇幻想文学の日本での翻訳紹介に尽力。のち活動の幅を広げ、博物学をはじめとして多ジャンルにわたって活躍
紀田順一郎[キダジュンイチロウ]
評論家・作家。書誌学、メディア論を専門とし、評論活動を行うほか、創作も手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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志村真幸
3
怪奇小説の翻訳者として知られた平井呈一について、その生涯と業績を調べ尽くし、未発表だった短篇小説なども収録した一冊だ。 紀田順一郎と荒俣宏は、いずれも平井に私淑し、若干の交流もあったという。 伝記的事実にいては、年ごとにまとめられている。よくぞここまで、というくらい詳しく、新発見の事実も多い。しかも、無味乾燥な事実の羅列ではなく、ちゃんと読める内容だ。 平井の伝記的研究としては、まちがいなく決定版だろう。 未発表の怪奇小説は3篇が収録。ただ、世に出なかったのもわかるような……。 2023/04/04