内容説明
「同性愛」をめぐるパラダイムが大きく変わりゆく時代に、ジェイムズはさまざまな「愛」に関する思考を、どのように小説という表現形式に結晶させたのか。異性愛やきょうだい愛、親子愛と重ねあわせつつ描かれる「同性愛」表現の多様性に注目しながら、ジェイムズの主要作品を読み直す。
目次
序章
第1章 幽霊物語における同性愛的欲望―「古衣装のロマンス」と「友だちの友だち」
第2章 『ワシントン・スクエア』における父と娘の婚約者の執心
第3章 『ある婦人の肖像』における「父」と同性愛的欲望
第4章 『ボストンの人々』におけるロマンティック・フレンドシップ
第5章 『カサマシマ公爵夫人』における負の遺産と同性愛的欲望
第6章 『ポイントンの蒐集品』における身体的接触と無意識の同性愛
第7章 『あちらの家』における多様な愛の混交
第8章 『ねじの回転』における階級制と同性愛
第9章 『大使たち』における「息子」の救済
第10章 『鳩の翼』における同性愛ロマンス
著者等紹介
斎藤彩世[サイトウサヨ]
九州大学文学部卒業、九州大学大学院人文科学府言語・文学専攻博士後期課程修了(博士(文学))。現在、北星学園大学文学部英文学科専任講師。専攻はアメリカ文学、特にヘンリー・ジェイムズを中心に研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かしこ
4
これって同性愛?と思ったが、女を挟んだ男同士のライバル心の燃え上がりって恋愛より熱いことがある。女を見るよりライバル男を見てる。自分がなりたかった理想の男と嫉妬して憧れ、戦うのが楽しそう。ワシントンスクエアのヒロインキャサリンを巡る金持ち医者のお父さんと軟派で貧乏な恋人の戦い。ある婦人の肖像のイザベラの夫(クズ男のかなり上位にある)オズワルドの、かつてのイザベラの取り巻き男達の爵位や金に対する渇望。この根底に作家ヘンリーの兄ウィリアムに対する強い憧れがあったの?知らなかった2024/11/08
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