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内容説明
ふと、思い出すのは―ふだんと変わらない、とある火曜日に、老人は思いだす。若きころの無軌道な生活を、ともに過ごした女性たちを、そして、動乱期のコンゴで過ごした日々を…
著者等紹介
ペーテルス,エルヴィス[ペーテルス,エルヴィス] [Peeters,Elvis]
1957‐。ベルギー・フランダース地方のフラームス=ブラバント州グリムベルゲン出身。本名ジョス・ヴェルローイ(Jos Verlooy)。1982年、パンクロックバンド「Aroma di Amore」のヴォーカリストとして音楽活動を始める。1990年代以降は執筆活動も手がけ、1992年に短編集『猿の時間』を刊行してからは、小説や詩集、児童書、脚本など、コンスタントに作品を発表。作品はいずれもエルヴィス・ペーテルス名義だが、妻のニコレ・ヴァン・バール(Nicole van Bael)と共同で創作しているという
鈴木民子[スズキタミコ]
1961年、堺市生まれ。京都外国語大学ドイツ語学科卒。公益財団法人フランダースセンターにてオランダ語を学ぶ。ドイツ語とオランダ語で実務翻訳に従事しながら文芸翻訳を学び、2010年および2011年、フランダースセンター主催のフランダース文学翻訳セミナーに参加(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
28
年老いた男性が過去を回想しつつままならぬ現在を綴った作品。地味ですね。2017/02/02
きゅー
16
とある火曜日、ブリュッセルで暮らす老人が目を覚ます。彼が思い出すのは共に暮らした女性や青年時代に行なった暴力、コンゴ動乱期の日々のこと。冒頭で老いた男の緩慢な動きが描写されるが、それが回想における彼の野放図で非情な言動と対比される。現実と回想の頻繁な移行と、「彼」という三人称視点と「私」の視点の切り替えにより、「今ここ」と「あの時あの場所」が交錯する。振り幅の大きい物語で、回想での悪漢ぶりと年老いて歩くこともままならない姿がイメージの中で重ならない。穏やかな回想記と思って油断していると、火傷を負いそうだ。2017/10/06
春ドーナツ
5
読書日記。本書を読む前に初めてタイ文学を読んだ。タイの人々は一年間に平均何冊本を読まれるのか? ジャン! 8行。衝撃を受けた。タイ文学は奥が深くもっと読んでみたいと私は思っている。本書はベルギー文学。感想は「ふむふむ。そうかそうか」でした。次はシリア出身作家の本、行きます。フランス語で書かれたのですが、アラビア語に翻訳されるや同語圏でベストセラーとなったそうです。この場をお借りして、和平実現が一秒でも早く成されることを祈ります。2017/02/16