内容説明
文芸映画のなかの市民社会とファシズムの影。
目次
1 文芸映画のなかの市民社会(市民社会とその他者―ヘルツォークの映画『カスパー・ハウザーの謎』;二一世紀のファウスト―ソクーロフ『ファウスト』について;戦いの意義を決めるのは誰か―クライスト『ミヒャエル・コールハース』における同一性の問題;アルプスという名の神―『ハイジ』映像化作品の宗教性について;メング通り四番地―トーマス・マン『ブデンブローク家の人々』における家)
2 ファシズムの影(仏独関係、映画の起源と戦争―映画の前史ディオラマ、そして戦争を撮った三人のフランス映画の監督;映画の中のシュタージ―『トンネル』から『東ベルリンから来た女』まで;ファシズムをいかに描くか―映画『ザ・ウェイヴ』をめぐる一考察;マインホフの女性運動とエンスリーンの暗号―映画『バーダー・マインホフ』に描かれなかった「伝説」)
著者等紹介
青地伯水[アオジハクスイ]
京都府立大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Nobuko Hashimoto
12
参考資料として部分的に。7章「映画の中のシュタージ」では「トンネル」「グッバイ、レーニン!」「善き人のためのソナタ」「東ベルリンから来た女」におけるシュタージの描かれ方をさらっと書いている。「グッバイ、レーニン!」にシュタージが出てきていたのか。すっかり忘れていた。見直さなくては。一応シュタージ関連で一本論文と称するものを書いた身としては、未視聴の「トンネル」「東ベルリン」も制覇しなくては! ところでこの本、映画がテーマなのに映画の写真が一枚もなく、素人さんの(?)イラストなのがかなり残念。2017/10/24
塩崎ツトム
3
コールハース、トーマス・マン、ハイジ、「第三の波」の全体主義再現実験、シュタージ……。映画から多分、独逸文化の深淵が見れるのかもしれない。どれも興味深い話ばかりだった。2015/12/09