内容説明
神経病理学者として出発し、のちに精神分析理論をうち建てたフロイト。彼が35歳のときに著した『失語症の理解にむけて』を中心に、フロイトとそれ以前の言説とを分かつ分岐点の所在を検証する。
目次
序章 これまでの『失語論』理解(なぜフロイトにおいて失語研究が問題となるのか;埋もれていた「失語論」?;『失語論』の立場)
第1章 近代の人間観の形成(十七世紀における思考様式の変化;十八世紀言語起源論争;「言語の生理学」)
第2章 近代神経学の中の『失語論』(「脳神話学」;身体における魂の領域;神経線維の機能上の意味の変遷)
第3章 失語研究から精神分析へ(「言語装置」;「心的装置」;代理表象)
著者等紹介
中村靖子[ナカムラヤスコ]
大阪大学大学院文学研究科博士課程後期課程単位取得退学。博士(文学)。現在、名古屋大学大学院文学研究科准教授。専攻はドイツ文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。