内容説明
フランスとドイツの間に位置する小国ベルギー。文化的中心地・フランスへの憧れ/反発を常にかかえるこの国は、他国家と共有する3つの公用語(フランス語、オランダ語、ドイツ語)をもつこともあいまって、陰翳に富んだ独特なナショナリズム、及びそれと切り離せない文学とを生み出してきた―ベルギーにおけるフランス語文学の系譜をたどりつつ、文学と国家/言語と国家/文学と言語の関わりを剔抉する、意欲的論考。
目次
序章 国家と文学―ベルギーの場合
第1章 ベルギーにおけるロマン主義運動―想像の“国民文化”形成
第2章 シャルル・ド・コステルとベルギー国民神話の誕生
第3章 「ベルギー文芸ルネサンス」と文芸雑誌の役割―世紀末三大雑誌と象徴主義
第4章 「ベルギー象徴派」の民族性と国際性
第5章 世紀末ベルギーの植民地主義と文学テクスト
終章 ベルギー・ナショナリズムと「ベルギー文学」の可能性を問う
著者等紹介
岩本和子[イワモトカズコ]
1959年生まれ。1988年神戸大学大学院文化学研究科博士課程単位修得(文学修士)。神戸大学国際文化学部助教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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