内容説明
パール事件は単なるイスラム過激派による誘拐殺人事件なのか?9.11、アルカイダ、テロ組織、核、国家情報機関…一年におよぶ調査から得られた事実の断片をつなぎあわせると、恐るべき事件の背景―国家とテロ組織の不気味な関係が見えてきた。
目次
第4部 アルカイダ(再び犯罪現場へ;タリバンのモスク;ジハードの資金;闇の中心で;ビンラディンのお気に入りの息子;調査を阻む不吉な前兆)
第5部 深入り(共同体において重要性をもたない男;知りすぎていた男;パールの足どり;殺人者はわれわれのなかにいる;ビンラディンのための爆弾;イスラムの優しさ)
著者等紹介
レヴィ,ベルナール=アンリ[レヴィ,ベルナールアンリ][L´evy,Bernard‐Henri]
1948年、アルジェリア生まれ。思想家、作家。1968年、高等師範学校入学。ジャック・デリダ、ルイ・アルチュセールに師事。1971年、哲学教授資格取得。「コンバ」紙のバングラデシュ特派員、母校の講師などを務めたのち、1973年グラッセ出版社の文学顧問に就任。同時期、フランソワ・ミッテランの専門家グループの一員となる。「行動する論客」として著名で著作も多い
山本知子[ヤマモトトモコ]
仏語翻訳家。早稲田大学政治経済学部卒業。東京大学新聞研究所研究課程修了
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感想・レビュー
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芋猫
6
【図書館本】調査開始当初は、イスラム主義に目覚めた青年という印象しかなかったオマル。しかし、徐々にビンラディンやパキスタン情報局ISI等との繋がりが明らかになる。この“有能な工作員”オマルと、種々のイスラム過激派集団のメンバーが寄り集まって、ジャーナリストに過ぎないダニエルを殺害した理由は何なのか?著者は調査の末、ある仮説に到達する。仮説の真偽は不明だが、憎悪と金の渦巻く地下社会が存在するのは事実で、どす黒レベルに背筋が凍る。結局オマルは真犯人ではないとして釈放されたが、今何をしているんだろう。2024/07/22
Hiroshi Takeshita
0
大義の裏に隠された欲、見栄、偏執。他人にとっては下らない事ではある。しかしながら、カテゴライズされ単純化され、増大する憎しみに目隠しされた人々にはその全体像は見えてこない。 人間というのは相変わらずサルのままだ。2015/12/03