出版社内容情報
中年男性、職業不詳、一人の妻とひとりの娘、パリとローマ0にアパートを所有。主人公の名はパロマー。章毎に読んでもひとつの小説。もちろん部毎に読んでも別の小説。カルウィーノの面目躍如。
内容説明
カルヴィーノの実験はこの小説で完成したのだろうか。この小説は縦だけでなく横にも読めることを読者は気づくだろう。カルヴィーノ最後の小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Pezo
1
小説を認識の手段としたカルヴィーノが晩年に残したこの作品で、主人公は物事をきちんと捉えようと四苦八苦し、最後にはたいていの場合失敗してしまう。そこにはカルヴィーノの作品内で行われてきた実験との相同性があるのかもしれない。……だけど、そうした失敗に至る過程は、この上なく軽やかで心躍るものでもあるのだ。2017/10/11
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1
人間普通は案外何かを「見た」り「考え」たりしてなくて、無意識と思い込みの条件反射だけで動いていろんな物を見過ごしていて、それを全部見たり思考したりすると逆に何も考えてないような状態で何も出来なかったり、見るべきものが見えなかったりの頓狂な挙動になったりと、「世界が世界を見つめる窓」のように、世界そのものの構成要因としての参加から外れてしまうのかもしれない。でも「見る」人は最後までひたすら「見る」。「何を意味するかは解らない」。/図書館で借りたけど買って「横に」も読み直してみたい。2012/03/27
一月七日
1
《フワフワ雪ちゃん》が頭から離れない。2012/03/27
yoshiwoemon
0
読めていない。途中で放棄してしまった。何だろう。構造は『見えない都市』と一応同じみたいなんだけどな。パロマー氏が孤独なのがいけない気がする。やはり対話がいいのか。
虫太
0
パロマー氏が愛しくてにやにやしながら読んだ。番号別にも読めるらしい。見えない都市もそうやって読みなおしてみよう。2013/04/25