目次
二〇〇九年(ひいらぎ;鳥取 ほか)
二〇一〇年(少年;侘助 ほか)
二〇一一年(冬;東日本大震災 ほか)
二〇一二年(手紙;空耳 ほか)
二〇一三年(木津川;ジンジャー ほか)
二〇一四年(白髪橋;毛馬水門まで ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
qoop
5
著者というフィルターを通して詠われる世界は情感を伴いつつ透明度高く、巧く角をたわめた柔らかい視点で、中心に焦点を合わせつつ周辺はソフトフォーカスがかかったような印象を受ける。また後半になるにつれシンプルさを増していくとも読めた。/陽は紙のふくろのなかの空間にたまりてやがて夕暮れとなる/三月は命日ふたつほっかりと空に大きな穴があきおり/「あんたなんか」と言われた日もある その声は椿の照派のようにきれいで/われわれは弱い存在ゆっくりと漁船が海にもどされていく/背番号5番のおまえが寝ころんでいる校庭を鴉があるく2021/08/22