内容説明
チベット高原にアカデミックロマンを追い求めた12年間を綴る探検的紀行。諸菩薩や神々が宿るという平均標高4500メートルの「天空の秘境」チベット高原。その壮大な自然と民族の変わりゆく歴史・文化を垣間見ながら、過去約2万年前から現在にかけてのアジアモンスーンの息遣いをうかがい、その盛衰のメカニズムや地球規模の気候・環境変動との関連性などの掘り下げを試みる。
目次
序章 チベット高原南部域を中心とした学術調査・研究の背景
第1章 第一次調査:早春の標高五〇〇〇メートル下での湖底堆積物採取
第2章 第二次調査:より優れた古文書を求めて
第3章 第三次調査:「より優れた古文書を求めて」終章
第4章 古文書が語る過去約二万年間のチベット南部域の気候・環境変動と、その特徴
第5章 チベット高原上のインドモンスーンの回復・拡大および衰退の仕組みについて
第6章 インドモンスーンはヒマラヤ山脈を横断しチベット高原に直接流入して来るか?
第7章 チベット南部域に特有な気候応答を引き起こす地学的要因と高原上のインドモンスーンの進化について
第8章 アジアモンスーンの将来変動の可能性と「天空の森再生」考
終章 モンスーンアジア文化への原点回帰にむけて
著者等紹介
西村弥亜[ニシムラミツグ]
石川県生まれ。名古屋大学大学院理学研究科修了、理学博士。米国州立フロリダアトランティック大学有機地球化学研究プロジェクト研究員、愛知学院大学教養部教授、東海大学海洋学部教授、東海大学大学院総合理工学研究科教授(兼任)を歴任。専門は古環境変動解析学、有機地球化学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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