内容説明
史上初・超訳万葉集。とっつきにくいと思っていた万葉集をJ‐POPの歌詞のように超訳化。こんな殺伐とした時代だからこそ、共感できる『万葉』・心の言葉。これからの日本を作って行こうとするエネルギッシュな気運に溢れていた飛鳥時代から奈良時代の日本。そんな中で生まれた万葉集には、“ひたむき”な感動が一杯。何事にもひたむきだったからこそ、いま感動できる“万葉の言葉”。
目次
第1章 慕情~恋ひ恋ひて―万葉に咲いた恋の花
第2章 移ろい~春過ぎて―万葉人が感じた四季
第3章 無常~空蝉の―生命讃歌、そして厭世観
第4章 離別~草枕―旅の別れと哀しみ
第5章 レクイエム~ぬばたまの―逝くものに捧ぐ生者の痛み
付、 万葉集に歌が採られている代表的人物
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
90
日本最古の歌集と言うだけあり、古の調べを聴いているような感覚に陥ります。和歌だけでも美しく楽しめますが、解説が添えられることでよりその世界が鮮やかに見えました。遠くの過去の風情を味わえます。若干訳がポップなのだけが残念かなぁと。読みやすいですけれども。2017/04/05
べる
26
飛鳥時代から奈良時代中頃の和歌をJポップを聴くように共感しながら読める本。身分や性別、年齢関係なく、あらゆる人が和歌を詠んだことが分かる。くしゃみや眉がかゆくなるのは、恋人が訪ねて来るしるしなのだという当時のジンクスを知れる歌があったり。一期一会を桜の花で表現する歌があったり。行く者と送り出す者それぞれの悲しみが伝わる防人歌があったり。全体を通して、季節の移ろいに関心が大きいことと人々が自然と共に生きてきたことを感じた。2019/01/28
てんちゃん
25
万葉集、いいですよね~。超訳なので、かなり簡単にされてしまい、『ん?』と思うものもありましたが、ともかく掲載されている元々の作品が良いです。古語は久しぶりだったので法則を思い出すまで、時間がかかりましたが、徐々に感覚が戻り、短歌そのものの雰囲気も味わえるようになりました。日本の文化、文学っていいなぁ。2020/05/11
小瑠璃
7
古文の文法知識は確実に、学校で習っていたときよりも少なくなりました。だけど、当時より大人になって、「あ、わかる」という感情が増えたせいか、感覚としては今のほうがずっと、万葉集を楽しめる気がします。こちらの本を読むのには、当然ながら難しい知識は不要。見開きに一首と、その超訳と解説なので、読みやすいです。「来むといふも/来ぬ時あるを/来じといふを/来むとは待たじ/来じといふものを」なんてかわいい!2013/06/23
仮ッ子
6
リズムのよいもとの歌、今に即したわかりやすい訳、堅苦しくない簡単な解説。と、入り口は三か所あって、万葉集を身近に感じ、好きな歌がぐんと増えた。2011/07/27
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- 和書
- 野長瀬正夫詩集