内容説明
ポスト国民国家の未来像を思い悩む私たちにとって、「満洲国」の体験が示唆するものは何か。苦い反省をもこめ、郷愁ではなく「論」として「満洲文学」を取り上げる。
目次
1 空白時代への助走(抒情的はしがき;「国家」から「個」への転機 ほか)
2 文壇作家の中国認識(「満洲」を訪れた作家たち;『満韓ところどころ』に見る夏目漱石の中国観 ほか)
3 占領下・中国東北部の近代文学(「面従腹背」の反満精神;「九・一八事変」後、初期の東北作家たち ほか)
4 在満日本人の文学(北満の大地に下り立った表現者たち;大連から―詩 ほか)
5 流氓の文学者(デラシネの白系露人作家;烏有の人)
著者等紹介
葉山英之[ハヤマヒデユキ]
1931年、大阪府生まれ。大阪外国語大学別科フランス語科中退。学生時代から新劇活動に従事。1971年、演出事務所を設立。後、広告企画会社となり、20年余を経て解散。「文学史を読みかえる」研究会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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