内容説明
ユダヤ人の頭脳の卓越性/劣等性について、欧米でこれまでどのような議論がなされてきたか。19世紀末ウィーンにおける反ユダヤ主義的風潮から、ナチスによるショアー(ホロコースト)に至るまで。また、演劇、小説、オペラなどに描かれたユダヤ人像を探り、『シンドラーのリスト』を含めた現代アメリカの映像に至る。「頭の良いユダヤ人」による「頭の良いユダヤ人」神話の構築史である。
目次
第1章 なお残る問題
第2章 「頭の良いユダヤ人」の起源と全体の構成(フォーマット)
第3章 世紀の変わり目およびそれ以降に形成されたユダヤ人像
第4章 19世紀末ウィーンのユダヤ知識人
第5章 アルバン・ベルク、ユダヤ人、そして天才の不安
第6章 もう一つの世紀の終わり―アメリカ大衆文化におけるユダヤ人像