内容説明
いま甦る「思想家」ヒトラーの肉声。20世紀最大の悪夢が過ぎ去って半世紀、今なお荒々しい残酷な輝きを放ち続けるヒトラーおよび第三帝国の謎を解明する恰好の資料ついに完訳。
目次
第1部 1941年7月―12月
第2部 1942年1月―2月
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
印度 洋一郎
3
1941年夏の独ソ戦勃発直後から、翌1942年春先までのヒトラーが食後に色々な人を相手に話した談話集。本人は余り気が進まなかったようだが、側近の官房長ボルマンが許可を取って記録したもの。とにかく、この上巻は戦局がまだドイツが優勢だったからか、リラックスして話しているのがよく伝わる語り口。政治や諸外国に関する話は思い込みというか先入観で色んなことをズバズバ断言しているので、今読むと余り面白くない。むしろ、余談みたいな話の方が面白く、第一次大戦従軍の時の愛犬との関係では、犬好きというのが伺える。2023/01/13
Ymwsb
2
本書はトレヴァー=ローパー氏の英語初版からの訳書です。近年の研究では、この英語版はトレヴァー氏が「ドイツ語のBormann-Vermerke(いわゆるボルマン・メモ)から直訳」と序文で述べているにもかかわらず、実際にはスイスの親ナチ的資本家のFrancois Genoud氏が恣意的解釈の下に作成した、フランス語訳からの訳出書である可能性が非常に高い、という議論がなされており、無批判に受容することは中々難しくなってきているそうです。2023/10/31
N型
2
それが結果的に正しいのか間違いなのかはさておき,直感,偏執,偏見といった,要は客観的な根拠の無い思い込みが大半だなと感じた.ただ,これが逆にリーダーシップを感じさせる力強い言葉選びや言い回しを生み,市民全体の心を掌握していったということなんだろうな.下巻は,時期的には徐々に劣勢に傾いていく中での発言になってくると思うが,この威勢がどのように変化していくのか.2017/11/03
コラッジョ
1
日本人は三半規管がイカれてるから飛行機の操縦ができない 当時はこんな言葉が存在したそうだ。 ヒトラーが紹介している。 凄まじい有色人種差別時代だったのだと改めて痛感する。2016/05/23
VC
1
ヒトラーは文化のこととなるとよくわからないことを言っているが、他の部分ではかなりまともなことを言っている。そこらへんの上司より良い。2013/07/25