マルクスを超えるマルクス―『経済学批判要綱』研究

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  • サイズ B6判/ページ数 465p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784878935596
  • NDC分類 331.6
  • Cコード C0010

内容説明

なぜ、ネグリ『資本論』ではなく『経済学批判要綱』のマルクスに回帰しなくてはならなかったのか?なぜ、ネグリは『資本論』で精緻化されている「労働」「価値」「階級闘争」などの概念をあえて「転覆」させたのか?それは、アウトノミア運動の渦中において、前衛党主導でも労働組合中心でもない「主体」的な運動に、新たなコミュニズムの可能性を見出すためだった―。『経済学批判要綱』の政治的読解によって、マルクスをめぐるあらゆる既成の言説を退け、まったく新たなマルクスを見出し、新たなるコミュニズムの定義を行なった、ネグリの名高き代表作。

目次

第1講義 『経済学批判要綱』―開かれた作品
第2講義 貨幣という価値
第3講義 敵対的傾向という方法
第4講義 剰余価値と搾取
第5講義 利潤、恐慌、破局
第6講義 社会的資本と世界市場
第7講義 賃金論とその展開
第8講義 コミュニズムと移行
第9講義 資本制的発展と革命的階級

著者等紹介

ネグリ,アントニオ[ネグリ,アントニオ][Negri,Antonio]
1933年生まれ。1970年代、イタリア・パドヴァ大学政治学研究所教授として国家論などを講義。また、イタリア全土を揺り動かした「アウトノミア」運動の理論的リーダーとして注目された。79年、フランスのエコール・ノルマル・スペリウールで行なった『経済学批判要綱』の講義をまとめた『マルクスを超えるマルクス』を刊行。しかし78年に発生した「赤い旅団」によるモロ元首相暗殺事件の首謀者として、同書の刊行の同年にイタリア政府によりでっち上げ逮捕される。83年、獄中から国会議員に立候補し、当選。議員特権により釈放されるが、2ヶ月後、議員特権が剥奪されたためフランスへ亡命。パリでは、ガタリやドゥルーズなどの支援を受け、パリ第8大学で教鞭を執り、『転覆の政治学』『構成的権力』などを執筆。97年、自発的にイタリアに帰還し空港で再逮捕。再収監を経て「選択的拘留」状態となっていたが、2003年4月25日、自由の身をかちとった。2000年に刊行した『帝国』が世界的な注目を集めているが、現在、その続編を執筆中である

清水和巳[シミズカズミ]
1961年生まれ。早稲田大学大学院経済学研究科博士後期課程単位取得退学。グルノーブル大学(仏)経済学博士。現在、早稲田大学政治経済学部助教授。専攻は経済思想史・方法論

小倉利丸[オグラトシマル]
1951年生まれ。東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。富山大学経済学部教授。専攻は現代資本主義論

大町慎浩[オオマチマツヒロ]
1965年生まれ。早稲田大学大学院経済学研究科博士後期課程単位取得退学

香内力[コウウチチカラ]
1965年生まれ。早稲田大学大学院経済学研究科博士後期課程単位取得退学
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