堕ちた天使―アザゼル

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A5判/ページ数 285p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784878933844
  • NDC分類 983
  • Cコード C0097

内容説明

一八七六年、モスクワ市内の公園で、衆人監視の中、若い男がロシアン・ルーレットによりピストル自殺を遂げた。男はモスクワ大学の学生で財産家の御曹司。なぜ、そのような自殺の方法を選んだのか?事件の捜査にあたるモスクワ警察特捜部の若き刑事エラスト・ファンドーリンは、自殺した若者の周辺を洗っているうちに、多くの男たちから崇拝されているアマリヤという絶世の美女の存在を知る。彼女のとりまきのひとりで亡くなった学生の友人に接触して情報を得ようとした矢先、ファンドーリンはその学生とともに暴漢に襲われ、ナイフで刺される。朦朧とした意識の中…暴漢が口にした言葉“アザゼル”とは?世紀末ロシアを舞台に、若き刑事ファンドーリンが巨大な陰謀に立ち向かっていく。ロシア国内で絶大な人気を誇る歴史探偵小説。

著者等紹介

アクーニン,ボリス[Акунин,Борис]
本名グリゴーリイ・チハルチシヴィリ。1956年生まれ、モスクワ在住。現代日本文学の翻訳・紹介をするかたわら、文芸評論にもたずさわる。また最近まで月刊文芸誌『外国文学』の副編集長をつとめた。チハルチシヴィリ名義の仕事としては、三島由紀夫作品のすぐれたロシア語訳や、古今東西の作家の自殺を論じた研究書『作家と自殺』がある。1998年よりアクーニンのペンネームで、19世紀後半のロシアを舞台にした推理小説を『エラスト・ファンドーリンの冒険シリーズ』と銘打って次々に発表し、空前の大ブームを巻き起こす。ちなみに「アクーニン」は日本語の「悪人」である

沼野恭子[ヌマノキョウコ]
東京外国語大学卒業。東京大学大学院博士課程満期退学。訳書に、オクジャワ『すばらしい冒険旅行』(新書館)他。編訳書に、『魔女たちの饗宴―現代ロシアの女性作家選』(新潮社)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

キムチ

54
アクーニンお初。しかも6冊が既和訳と有り、この一見 さえない美青年刑事モノはシリーズ化。漠たる感想しか持てないで読み易さからすぃ~っと読めたものの、学生時代読んでいたルパン的香り以外にインパクトは持てなかった。ラストで訳者沼野さんの解説がかなり補強に。アクーニンは日本語で悪人という意のペンネーム。60歳代後半の筆者は日本文学者で数々の日本文学をロシア国内に紹介している。トルストイ等に代表される偉大な作家群のあとに続く現代作家としては珍しい中間ものが作風。刑事の社会的内面的成長はシリーズを読まないと。2022/06/05

詩歌

17
1876年の帝政ロシアが舞台、モノクロ表紙、陰謀と見慣れない文字や名詞。普及し始めたばかりの電話、人体実験も辞さないマッドサイエンティストが登場し、国際的犯罪組織と対決する。まるでモリアーティが存在しているかの様な雰囲気。なのにファンドーリン青年のどこか頓珍漢な活躍が、ユーモラス。ヒロインも母、娘、悪女と取り揃えられ華やぎも充分。著者の名前の由来を考えると油断は禁物。不安を宥められると、警戒してしまう。私、ミステリ読者だから(笑)2015/02/14

クサナギ 「読んでる本」=「バイブル本」

7
来年映画化するらしい(シューリス氏出演(●´mn`))ので、来週から読むぞ!と思ってたのにうっかり読了。ロシア文学=難解という偏見を払拭してくれるほどサクサク読めました。(それがコンセプトらしい。)Amaz○nのレビューとか恐ろしく低いんだけど(;o;)自分は楽しめたんだけどなあ(^_^;)19世紀末のロシアと英国を舞台にした歴史探偵小説(というかサスペンス)。読書中、脳内で既に“絶賛公開中”(笑)映画向きな話かと。しかし、伯爵(シュー氏)は何処へ!?Σ( ̄□ ̄;)出てないか淡い期待を抱きながら続編へ。2013/03/09

samandabadra

4
読んでいて非常に面白かったが、アブドゥル・ハミドがアブドゥル・ガミドになったりしているところ、訳者はどういう意図でこう訳したのだろう。最後はめでたしめでたしに終わらなくて残念だけれど、こんな終わり方もありかな・・・2010/10/01

だん

3
エラスト・ファンドーリンシリーズの1作目。俳優のオレグ・メンシコフ経由で知ったシリーズ。高尚でも低俗でもない中間を狙って書いたというだけあってサクサクと読み易かった。個人的に萎える展開が1つ組み込まれていたのが残念。「アメリカン・ルーレット」は笑ったw2012/01/11

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/12166
  • ご注意事項

最近チェックした商品