内容説明
古代エジプト以来、おならが人類の関心の重要な一部をなしてきたなどと、にわかに信じることができるだろうか?しかし、それを証する驚くべき文献があり、信じがたい図像がある。おならをごまかし、泣き、笑い、そして愛してきた人類の歴史が、二十世紀末の今日にいたり、初めて一大集成としてまとめられた。フランスで激賞―「ラブレー賞」受賞。付―「抱腹絶倒の放屁家」索引、「歴史に残る一発」索引、珍品図版多数収載。
目次
第1部 古代~中世―神話に見る、おならの起源および淵源
第2部 十七世紀~十八世紀―おならの黄金時代
第3部 十九世紀―おならの民衆的勝利
第4部 二十世紀―おならの新古典主義
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
田氏
7
お察しの通り、尾籠な話の集大成である。しかし、スカトロの本拠地たるフランスを中心に欧州の古代から中世を経て二十世紀に至るまで、屁がときに蔑まれ、ときに神格化されながら巻き起こしてきた悲喜交交を、その厖大な資料を蒐集渉猟し編纂した熱意は篤実そのものであろう。掲載の滑稽噺の多くは仏語での洒落や掛詞に依るところが多く、外国語に不調法な身としては幾分疲れるところもあった。これは外国人が笑点に抱く感情に近いものだろうかなどと思っていると、日本から長新太作『おなら』がアジア唯一のノミネート。あまり喜ぶ気にはならない。2017/08/04
猫森
2
古代エジプトには「音鳴り神(クレピトゥス)」がいたというのが一番の収穫。著名な(と本書にはある)考古学者ケリュス伯チュビエール曰く「…裸体からみても、表情や姿勢からしても、今までこれほど完璧なおならの神の像を私は見たことがない(後略)」それほど立派でないおならの神の像なら沢山見てきたんか…とツッコミたくなった。面白いのだが、シモネタも同じものが続くと飽きてしまうので、最後まで同じテンションでは読めない。でも確かに面白い。2015/01/10
K
1
児童書の棚に、「健康だとおならはくさくない」とかいう本があった。ウンチ系の本はいうまでもなく人気だけれど。これとおしりたんていと、セットで並べて、子供の夏休みの調べ学習にってのは、どうだろうかとちらっと思った。絵や、行明け多用してあり、案外読みやすい。でも結論がない。2019/09/05