心の傷を癒すということ―神戸…365日

心の傷を癒すということ―神戸…365日

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  • サイズ B6判/ページ数 265p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784878932496
  • NDC分類 493.79
  • Cコード C0036

内容説明

PTSD(心的外傷後ストレス障害)に苦しむ被災者の「心の叫び」と自らも被災しながら取り組みつづけた精神科医の感動の“心のカルテ”。

目次

第1部 震災直後の心のケア活動―1995年1月17日~3月
第2部 震災が残した心の傷跡―1995年4月~96年1月
第3部 災害による「心の傷」と「ケア」を考える

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

水彩

12
NHKのドラマで作者の人柄に引かれて。ドラマとは違って、あくまでも阪神大震災の記録。きっと、その後の災害の教訓になったはず。けれど、東日本大震災の時も同様 の問題は繰り返している。作者は中井久夫氏を尊敬する精神科医だが、眼差しが大変暖かい。2020/12/11

Nobuko

5
来年で阪神淡路大震災から25年。ボランティアブームに、心のケアブーム。良いことをしているようで混乱も多かったであろう被災地の中で被災者である精神科医・安克昌先生ご自身が感じられた被災者の「心の傷」と「癒し」。その後、東日本大震災や度重なる豪雨・台風被害多くの自然災害が日本列島を襲っている。避難所のプライバシー保護や復興支援住宅での孤立しない試みなど、阪神淡路大震災の教訓はきっと生かされていると信じたい。このような災害時に広く、遠くまで患者のこと、被災者の心に寄り添った医師が早逝したことは実に残念だ。2019/12/08

おはぎ

5
★★★★ 17年前の話題だけど、決して古い問題ではありません。心のケアを精神医学や心理学の専門職にお任せではなく、市民ひとりひとりの災害心理学の心得だったり、社会全体の仕組みについて取り組んでいかねばなりませんね。援助者でありつつ、自らも被災されている方達のケアについて触れられたのも興味深かったです。文庫版あり。2012/01/21

とまとまと

3
自身も阪神淡路大震災の被災者で、精神科医でもあり、患者の押し寄せる大学病院をなんとか運営しながら、明け方までかかって仕上げた原稿。ここには現場で踏みとどまり、患者や被災者に向き合い、トラウマの専門家として観察・思索した軌跡が綴られている。39歳で早世された原因には、やはり命を削った労苦があったのだろう。心のケアは、専門家のテクニックに頼れば終わりではなく、周囲の人々とのふれ合いが不可欠だという、考えてみれば当たり前のことを、他ならぬ専門家である安氏の言葉に気づかされた。NHKのドラマを見逃したのが惜しい。2025/03/19

こばゆ

3
あちこちメモを取りながら、優しくて謙虚なのに鋭い文章を時おり涙をこらえながら読んだ。治療と癒しはちがう。専門家の治療によって「癒された感じ」がしても、本当の立ち直りは薬やカウンセリングで医学的に与えられるものではない、と精神科医自ら述べることの重さ。薬を飲んだって元通りになんかならない。皆が皆明るく前向きにならなければならないわけでもない。生きていたくない、つらいと思いながら傷を抱えて生きることだって充分「正常」だろう。その生きづらさや重荷を軽減できるのはつまるところ本人なのか。2022/10/31

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