内容説明
直径と円周の比である円周率。その正確な値を得ようと、古代ギリシアをはじめ、インド、中国、日本など、世界各地で独立に探求されてきた。円周率を主題に、様々な文化のなかで数学が担ってきた役割と歴史を解説する。円周率はいまなお新たな数学を生み出す。
目次
第1章 魏・晋南北朝と劉徽
第2章 アルキメデス
第3章 三角関数
第4章 イスラーム世界の円周率
第5章 インドの円周率
第6章 金・宋・元時代の中国数学
第7章 江戸時代の円周率
第8章 近世ヨーロッパ
第9章 明・清の数学とモンゴル人数学者
第10章 円周率の新たな歩み
第11章 現代の円周率
付録
著者等紹介
上野健爾[ウエノケンジ]
1945年生まれ。1968年東京大学理学部数学科卒業。現在、四日市大学関孝和数学研究所所長。京都大学名誉教授。専門は複素多様体論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぼのまり
7
九章算術、アルキメデス、三角関数、和算、複素数など、円周率について世界、歴史を巡る。コンピュータを使った16進数計算手法への展望にも触れられており、なかなか興味深い1冊でした。60進法のコンピュータとかπ進法コンピュータとか作ると面白いことになるかもしれない。2013/08/30
鈴木貴博
2
中国、古代ギリシア、インド、日本など、世界各地で独立に探求されてきた円周率。その探究の歴史を振り返るとともに、新たな歩みに言及する。それぞれの円周率に対する歩みは興味深く面白いが、出てくる数式の理解はなかなか大変...。2020/02/27
2n2n
2
円周率をめぐる数学史。西洋に偏らず、東洋諸国やイスラムにも幅広く目を向けている。「日本は明治維新前後に西洋の数学をすぐ受け入れることができたのに、中国はそれができなかったのは何故か」という話も興味深かった。2014/01/26
satochan
1
各国の歴史がわかっておもしろかった。なぜか、読んでいる途中で、1桁ずつ数字を出せる数式があればいいのにって思った。100桁目の数字とか。初めから出してたらきりがないぜ。そしたらなんと、本当にそんな方法があった。16進数なら表せるのだ。これなら計算が簡単ではないか(もちろん私にはできない。コンピューターががんばる)。もうそんな方法が確立されてるんだなぁ。新しいことを知りました。2017/08/08
kozawa
1
円周率の数字(分数表示なり精度何桁なり)や計算方法の発展について、それぞれ並行なり影響したりで発展した西洋東洋等をおいかけていく。読み物と割り切れば面白い。まぁ出てくる数式の証明等を全部理解するのは高校理系数学をガンバル気力がいるが、仮にそれを読み飛ばしてもそれなりに読めるはず。 2013/11/03