目次
序章 見沼の歴史と伝説の謎(見沼の伝説の相貌と特徴;見沼溜井の時代―関東代官伊奈氏による見沼開発 ほか)
第1章 見沼の龍神と新田開発(見沼と釘付け龍の伝説;関東代官伊奈氏と龍神 ほか)
第2章 見沼の女神と氷川信仰(見沼と氷川信仰;氷川女體神社と女神信仰 ほか)
第3章 見沼の弁財天信仰(見沼地域周辺の弁財天信仰の諸相;「見沼の七弁天」考 ほか)
第4章 見沼周辺の諸信仰(新秩父三十四観音霊場―見沼を望む地方巡礼;見沼と浅間信仰)
結語 見沼の女神信仰
著者等紹介
宇田哲雄[ウダテツオ]
1964年、埼玉県さいたま市生まれ。成城大学大学院文学研究科日本常民文化専攻博士前期課程修了。専攻は、日本民俗学、産業民俗論、信仰伝承論。現在、川口市教育委員会文化財課課長補佐兼学芸員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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DEEP埼玉
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謎の多い見沼にまつわる龍神と女神についての興味深い論考。江戸初期の伊奈忠治による見沼干拓と享保期の井沢弥惣兵衛為永の見沼代用水開削が古来からの龍神信仰と衝突し、その祟りを克服した(弁天社の勧請等)経緯を伝承から浮き彫りにしている。干拓以前に存在した広大な沼池「みぬま=御沼」は氷川神社の祭神・素戔嗚尊の妃・奇稲田姫尊の御手洗池とされ、信仰の対象であった。江戸時代の干拓事業をリードした伊奈氏の末裔に祟りが続いたという記述が目を引く。昭和13年12月23日という最近の日付の入った事例は実話怪談の趣きがある。2023/05/21