感想・レビュー
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那由田 忠
2
川越喜多院の歴史を語る。本堂にあたる慈恵堂は延暦寺18代座主を祀るが、その謂われが不明。話が家康に信頼された天海大僧正中心で、一度は天台宗関東本寺となり「東叡山」と名付けられる。天海が上野の寛永寺を動けなくなるとそちらに山号が移って、喜多院は星野山無量寿寺に落ち着く。家康は死後神となるが、権現にするか大明神にするかでもめた話が面白い。朱印状が与えられた幕府保護の寺だったが、明治以降の経営に行き詰まった話がもう少しほしい。「大きな被害にはあわなかった」とあるが、知事録という日鑑から分かるはず。2013/04/14