内容説明
子どもから学び、子どもの気持ちに寄り添う―子どもの声を聴くということは、大人の姿勢が問われる課題である。どこまでも子どもを権利の主体として扱い、子どもの権利の実現・子どもの幸福のために働く。真に子どもの権利が実現する社会が来るために。
目次
第1章 子ども福祉弁護士へ(子ども時代の記憶;裁判官としての経験;子どもとともに悩む弁護士として)
第2章 「恩寵園事件」から子どもの福祉を考える(「恩寵園事件」とはなんだったのか?;子どもたちの「恩寵園事件」―原告たちの座談会;助けてくれた大人がいた―「恩寵園児事件」原告・弁護団・支援者の座談会;子どもの発信を誰が受け止めるのか)
第3章 子どものために大人は何をすべきか―「施設内人権を考える会」の活動から(「施設内人権を考える会」の成り立ち;「施設内人権を考える会」と私;人材を育てる施設運営)
第4章 「子ども福祉弁護士」に求められるもの(子ども福祉における子どもの権利保障の現在;「子ども福祉弁護士」の活躍を願って)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てくてく
6
裁判官を経て、子どもの意見を代弁する弁護士(子ども福祉弁護士)として多大なる貢献を行ってきた平場真人弁護士の業績紹介と今後の子どもの権利保護に関する本。千葉県の恩寵園事件の被害者である(および被害を自ら訴えた)子どもたちのインタビューがとても印象に残った。311によって戦争以外のあらゆる困難が顕在化した日本、というのは確かにそうだと思った。2020/07/23
ひろか
4
あの恩寵園事件の弁護士。著者の功績をまとめたようなもの。大変立派な弁護士だと思うが、本としては読み易くはない。2020/03/26
昌也
1
恩恵→権利という価値観の変化2021/10/03
ユウ
1
子どもの人権擁護に尽力してきた大家の自省録のような1冊。千葉で起きた恩寵園事件にも触れながら、子ども福祉のあり方について考える。まさに編著者の国会参考人発言に沿う形で児童福祉法の改正、児童虐待防止法の制定がなされており、そして今、民法の懲戒権規定が見直されつつある。日本の子ども人権の先駆者であったことがよく分かる。同じように何かに情熱を持ち、晩年に自分の人生を顧みることができるよう、頑張ろうとも感じさせられた。2021/05/30