目次
序章 社会復帰とソーシャル・インクルージョン―本書の目的とイギリスにおける展開
第1章 刑事司法と社会福祉―出所者支援活動の実践から
第2章 刑事司法と社会復帰―少年院での実践から
第3章 更生保護と社会復帰―保護観察所における実践から
第4章 日本におけるソーシャル・インクルージョン実践の可能性―社会的排除と包摂
第5章 薬物乱用者が「ありがとう」と言われる社会
第6章 更生保護と元犯罪者の社会への再統合
第7章 刑事政策における社会的包摂の意義と課題
第8章 犯罪と「社会の保護」―社会的排除と立憲主義の危機を超えて
終章 犯罪者の社会的包摂―市民としてのアイデンティティ形成支援
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆう。
29
犯罪を個人の資質と捉えるのか、それとも社会の構造的問題から生じる行為と捉えるのかによって、社会にインクルーシブしていくことの是非が変わるように思う。多くの犯罪は、適切な社会的環境があれば、犯罪を犯す前に違う道が歩めるのではないだろうか。だからこそ、元受刑者などを社会的に排除するのではなく包摂する社会基盤を作る必要があるのだろう。勉強になった。2019/10/13
ひなた
0
犯罪を犯した人の社会復帰にどのようなシステムが必要か。具体的に語られていますが、辛口でいうと机上の論議に終わっています。新しい試みなどが知りたかったのでその点ではあまり得るものがなかったです。さらにいうと、社会復帰についてカント他の思想をあげて「社会での自立とは何か」から論じている方には心底がっかりしました。この調子では、この本で言うソーシャル・インクルージョンはまったくの理想でしかないです。犯罪と反比例で服役者が増えている現状は、まさに後がない状態だと素人から見ても思うのですが。2010/12/13