実務家のための入管法入門

実務家のための入管法入門

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A5判/ページ数 134p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784877982133
  • NDC分類 329.94
  • Cコード C3032

出版社内容情報

外国人の上陸、在留、退去強制、行政訴訟、刑事弁護、国籍取得など、入管法にかかわる外国人事件のすべてを網羅した実務書。弁護士のみならず行政書士・司法書士やNGOも必読。

入管法総論、入管の組織、上陸許可手続………関 聡介
在留資格制度、変更・更新………大貫憲介
退去強制手続、在留特別許可………児玉晃一
難民認定手続………渡辺彰悟
行政訴訟………大橋 毅
外国人刑事弁護と入管法………田島 浩
国籍・戸籍・身分関係………山口元一

はしがき
 本書は、2003年10月から2004年2月にかけて開かれた、東京弁護士会外国人の権利に関する委員会主催「入管法実務学習会」の講演録をベースに、講師に加筆をしていただいたものです。
 近年、外国人の問題に関わる弁護士も次第に増えてきましたが、入管関係についてはニーズは高いのに対応できる弁護士がなかなか増えてこないのが悩みの種です。その原因のひとつは、外国人の権利救済という観点から入管実務について書かれた適切な文献や資料がないことにあります。また私たち自身が入管と渡り合って身につけてきたノウハウを若い弁護士に引き継がなければいけない、という思いもありました。そこで、入管実務に携わる若手弁護士の発掘という目的から、当初は入管法と入管実務に関する私的な勉強会を計画したところ、東京弁護士会の外国人の権利に関する委員会からのご提案があり、同委員会の企画として今回の学習会となったものです。
 学習会を始めてみると、毎回数十人もの参加があり、また弁護士ばかりでなく、行政書士、研究者、NGOスタッフ等幅広い方が参加されていました。考えてみれば入管法・入管実務に関する学習会というのは確かに少なく、あらためてニーズの高さを感護士だけでなく、すべての弁護士に本書を一読していただきたいと思っています。こんにち、外国人の事件はごく普通の弁護士でも日常的に関わるようになっています。警察に勾留されている外国人女性から「日本人の夫がいる」と言われたある当番弁護士が、「結婚しているからって日本にいられるわけじゃない。日本はそれほど甘くない」と叱責するのを聞いてヒヤッとしたという話を、知人の通訳人から聞いたことがあります。条件さえ整えば在留特別許可を得られる可能性が極めて高いケースで、弁護士のミスリードのために強制送還になってしまうことが今までなかったでしょうか。入管法に関する実務的な基礎知識は、弁護士一般にとって必須の知識となっているのです。
 なお、現在、入管法の改正案が国会に上程されています。主な改正点は、上陸拒否期間についての変更、在留資格の取消し制度の創設、出国命令制度の創設、難民認定制度上の変更、等ですが、これらの点に注意すれば、本書は改正後の入管実務にも対応できる内容です。
 本書は、多くの方々のご協力によって日の目を見ることができました。詳細な準備をされて講義を行い、講演録の加筆にも多くの時間を割いてくださった講師の方々、私