出版社内容情報
日本に引渡し請求をされているペルーの元大統領フジモリ氏が行った人権侵害の数々を明らかにし、正義の実現のために何がなされるべきかを考える
Ⅰ 何が問題なのか
1なぜフジモリ問題に取り組むのか
猿田佐世
2フジモリさんはかわいそう?――日本におけるフジモリ問題のおかしなおかしな捉え方
大串和雄
Ⅱ 何が起こったのか
3フジモリ政権の犯罪とフジモリ氏の責任
大串和雄
4被害者の声
ロサ・ロハスさんからのメッセージ
5不妊手術推進政策――ケース・スタディ
古屋 哲
6失脚と日本への逃亡
小倉英敬
Ⅲ なぜ責任を問うのか
7引渡請求の法的根拠
田岡直博
8「不処罰との闘い」の視点から
大谷美紀子
皆さんご存知のように、アルベルト・フジモリ元ペルー大統領は、2000年11月に日本に逃亡してきて、今なお日本に滞在を続けています。すでにフジモリ氏の引渡請求がペルーから日本に対して正式に提出され、フジモリ政権下で家族を虐殺された遺族も日本を訪れて、日本国民に必死の訴えを行っています。世界各地の人権団体や知識人からも、フジモリ氏をペルーに引き渡すべきだという要求が日本政府に突きつけられています。ところが、当の日本人のほとんどは、まったく責任を感じることがなく、むしろフジモリ氏への同情を示すありさまです。
いったいフジモリ政権の犯罪とは何なのでしょうか。フジモリ氏はそれらの犯罪にどのような責任があるのでしょうか。こうした素朴な疑問に対して、日本語で読める資料はこれまでほとんど存在しませんでした。本書はその欠落を埋めるべく、いわば「フジモリ問題入門書」を意図したものです。
私たち「フジモリ氏に裁きを!日本ネットワーク」は、フジモリ氏を正当な裁きに服させようと活動を続けてきました。世界では今、深刻な人権侵害の加害責任を曖昧にしないことによって人権侵害が繰り返されない世界を築き上げようとする努力が始まっています。そ
内容説明
日本では英雄視されていたフジモリ元ペルー大統領。しかし、現在彼は、深刻な人権侵害を理由に訴追されている。彼はいったいペルーで何をしたのか。ペルー政府からフジモリ氏の引渡請求があった今、私たちは何をすべきなのか。
目次
1 何が問題なのか(なぜフジモリ問題に取り組むのか;フジモリさんはかわいそう?―日本におけるフジモリ問題のおかしなおかしな捉え方)
2 何が起こったのか(フジモリ政権の犯罪とフジモリ氏の責任;被害者の声―ロサ・ロハスさんからのメッセージ;不妊手術推進政策―ケース・スタディ;失脚と日本への逃亡)
3 なぜ責任を問うのか(引渡請求の法的根拠;「不処罰との闘い」の視点から)