内容説明
内外の安全保障、国内の開発を射程に入れた紛争後国家再生の平和支援活動の工程表を展望した「治安部門改革」における理論と実践の矛盾を率直に語り、鋭い問題提起をおこないつつ平和構築を追求した。
目次
平和構築における治安部門改革
第1部 SSRの理論的考察(SSRの概念整理と分析枠組み;「安全保障」と「開発」の交錯点としてのSSR;安全保障と開発援助の視点から見た二つのSSR;安全保障の視点から見たSSR;開発援助の視点から見たSSR)
第2部 SSRの事例研究(旧ユーゴスラビア諸国;東ティモール;モザンビーク;コンゴ民主共和国;アフガニスタン)
理想像と現実の狭間で
著者等紹介
上杉勇司[ウエスギユウジ]
広島大学大学院国際協力研究科准教授、Ph.D(国際紛争分析)
藤重博美[フジシゲヒロミ]
法政大学グローバル教養学部准教授、Ph.D(政治学)
吉崎知典[ヨシザキトモノリ]
防衛省防衛研究所理論研究部長、修士(政治学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Kenji Suzuya
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紛争後の国家において、軍隊や警察、裁判所といった部門の能力向上と体質改善を図るSSR(治安部門改革)を対象とする。SSRには短期の治安回復・維持を主な目標とする安全保障アプローチと中長期的な民主的統制の確立などを目指す開発援助アプローチとがあり、往々にして両者の連携は失敗する。両者を適切に混合する包括的対応こそが望ましいものの、現実の治安情勢からは治安改善を優先する段階対応が往々にして採用される、とする。全体的に開発部門については現実の施策に基づく検討が不足していてバランスが悪いが、仕方がないか。2015/01/19