著者等紹介
小川未明[オガワミメイ]
1882年~1961年。上越市に生まれる。『赤い蝋燭と人魚』、『金の輪』等、美しくも哀しい、情感豊かな物語は、現在も読み継がれ、多くの人に愛されている
古志野実[コシノミノル]
1949年~2014年。島根県に生まれる。力強く大胆なタッチ、多様な表現力で様々な作品を描く。20代に安来、松江、30才以降、原宿、銀座にて個展開催。作品にアニメーション「月とあざらし」「殿さまの茶わん」「負傷した線路と月」等がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さと
87
殿さまの、薄手の茶わんを手にし心曇らせる表情が何とも切ない。自分を見るようだった。世間の常識に縛られて生きることは、なんとうるさいばかげたことか。そんなメッセージにも受け取れた。我慢をして生きることは大人として仕方がないのだろうか。自分自身にしんせつ心を持たねば 自分という人間を唯一無二の存在として役立たせる事もできないのである....これはかなり個人的な受け止め方だけど。2020/07/16
馨
70
私も重い食器が嫌いなもので薄手の茶わんを選びがちなのですが、茶わんが分厚くて重いのにもちゃんと熱さを伝えないという意味があったのですね。作り手の技術がどんなに高かろうと親切心が無ければ意味がないという言葉が刺さりました。2022/12/14
モリー
58
寡黙で思慮深い殿さまの熟慮の末の一言が心に響きました。2020/06/27
ヒラP@ehon.gohon
20
良い茶碗とはどんな茶碗なのでしょうか。 有名な陶器師が腕をかけて作ったとても薄くて軽い茶碗は、お殿様に苦痛を与えました。 我慢強いお殿様が、食事をする度に考えることが素晴らしいと思いました。 それでも、使いやすい茶碗の方が良いに決まっていますね。 使う人の気持ちを思う親切心がなくてはならないと言い放つお殿様の一言が見事に決まりました。 目で楽しむ茶碗では、美味しく食事を楽しむことは出来ないようです。2018/05/26
ぽてちゅう
15
茶わん。毎日手にするものだから、よく手に馴染み、見て使って飽きのこない、そして何より美味しく食べれるものが良いですよね。決して、安かろう悪かろうではない。使う人や使い方に思いを馳せ作られているか。ものづくりの核心に迫る殿さまの一言に、大きく頷く。2020/07/19
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