内容説明
葉っぱのいのちの輝きを追い続け31年。原寸大の枝、花、1本1本の葉脈までありのままに描いた画文集。オールカラー画109点。
目次
スギ
ナンテン
ロウバイ
コブシ
ツクシシャクナゲ
サザンカ
キョウチクトウ
ボケ
ミツマタ
トチノキ〔ほか〕
著者等紹介
群馬直美[グンマナオミ]
葉画家(ようがか)。群馬県高崎市生まれ。1982年東京造形大学絵画科を卒業後、ウインドー・ディスプレイ、イラストレーションなどの仕事に携わる。大学在学中に、新緑の美しさ、葉っぱの生命力に深く癒された経験から、“葉っぱ”をテーマとする創作活動に入った。1991年、より緻密な描写のできるテンペラ画と出会い、現在の作風に至る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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やすらぎ
185
ありのままを描く葉画家の群馬直美さん。表紙はメグスリノキ。落ち葉を探しに行こうよ。豊かに染まる葉からは大切な言の葉が聴こえてくる。長い道のり、葉を落としきった梢はただひたすら受け入れる美を備えている。多彩な色を失った季節に生まれる生命。冬芽。寒空の下になぜ蕾はほころぶのだろう。柔らかに艷やかに光射すときもあるし、穴があいたり踏まれたり形のない悩みに折れてしまうときもあるけれど、枯枝にみえてもまた芽吹きは訪れる。静寂に葉雫が波紋と響き合うように、移ろいの葉っぱに癒やされ、私たちは微笑みを忘れずに生きていく。2022/12/03
keroppi
66
四季を通しながら描かれる葉っぱたち。虫食いされていても、枯れていても、葉っぱは美しい。それに添えられた文章も、葉っぱへの愛で満ちている。ご本人も入院しながらも、乗り越えて描いている。たくさんの人と葉っぱに支えられながら。命の喜びにあふれている。2022/10/30
tomi
31
先頃海外の賞も受賞した「葉画家」群馬直美さんの画文集。群馬さんは北村薫さんの「詩歌の待ち伏せ」のイラストで知りました。精密な原寸大で描かれた植物たち(葉っぱのみならず、サザンカなどの花や本物と見まがうばかりのキュウリなどの野菜まで)は虫食い痕から土の粒までも丹念に描かれています。ガン闘病を挟んで描かれ、一つの葉を描くのに最低18時間もかかるとか。イタヤカエデの枯葉、タンポポの葉…描かれているのはありふれた葉っぱばかりですが、自然の造形の美しさが見事に再現されています。2019/11/21