感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
69
カトリックの信仰をベースに、主に環境問題について語っています。様々な問題を見つめ直してみると、厳しい視点ではありますが、希望をも持とうとする姿が伺えました。幅広く問題を網羅していく回勅は、カトリックの歴史ならではなのではないでしょうか。2018/01/14
いとう・しんご singoito2
8
序と2章、6章は教皇フランシスコが書いたと思うけれど、それ以外はバチカンの官僚が書いたんではなかろうか。例えば3章の「あらゆることは関係し合っているので、自然保護は人工妊娠中絶の正当化とも相いれません。」P108みたいな粗雑で愛のない、教条的な論理を教皇フランシスコが書くとは思いたくないのです。冒頭の三つの章以外には「霊」に触れていないというのも一つの根拠です。どっかの役所の長期総合整備計画を読まされてるような、身の入らない読書になりました。2024/04/16
Francis
7
カトリックの長、フランシスコ教皇様が出された回勅。カトリックの信仰に基づいて主に環境問題について論じている。生命倫理、技術革新、環境破壊などの諸問題についてよくぞここまで網羅したというくらい幅広く論じている。さすがは2000年の歴史を持つカトリックにふさわしい回勅であると信徒の一人として心から感服しました。2017/03/19
kenitirokikuti
4
松戸のブックオフにて。「回勅」という用語、広辞苑にはあった。教皇がその権威を持って司教以下へ下すもの。「使徒的勧告」は第2バチカン公会議後、司教会議(シノドス)の結論を教皇の修正を経て出されるもの▲50年前の回勅「地に平和」は核戦争の危機に対するもので、この「ラウダート、シ、デ・コムニ・ドモ・コレンダ」は聖フランシスコの太陽の賛歌にちなむもの。我が主よ、汝は讃えられん、我らの姉妹たる母なる地のために。ヒトも大地も被造物であり、自然の濫用は許されじ、みたいなところ。2020/10/26
paumi
3
神は人間に世界をお与えになった。しかしその被造物を支配するのではなく、守るためにお与えになった。被造物は1つたけではやっていくことができず、お互い支え合いながら共存するのだ。さすが2000年の歴史を持つカトリック教会なだけあって、信仰の見地だけに基づいたふわふわした論調ではなく、さらに現実的な提案と思案が繰り広げられている。2018/08/18