感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
isao_key
3
著者によると日本におけるこれまでのシュンペーター研究では、純粋理論だけが取り上げてきたという。シュンペーターが描いた経済社会学は新古典派経済学やケインズ経済学が排除し積み残してきた領域であり、これが経済学のフロンティアを拡大してきたとある。彼の言う企業家とは経済学の前提となる単に合理的な経済人ホモ・エコノミクスを意味するのではなく、あくまでイノベーションを推敲する経済主体としての企業家、すなわち超人的とも呼びうる非日常的性格を有し、従来のやり方に批判の眼を向け、それらを創造的に破壊してゆく実践者である。2013/12/17