内容説明
「シャリア」の語源は、アッラーがその信奉者に対して課したルールや規則という意味である。専門的に解説すると、「シャリア」とはイスラム教の原典に著されたイスラムの教えに従って、一般的な問題や信仰に関する問題など、人生すべてに応用される規則となる。マフムッド・シャルトゥットの定義によると、ムスリムがどのように神、他のムスリムや非ムスリム、更には世界や人生と関係を築いていくかをアッラーが指し示したルールである。マレーシアにおいて、たとえイスラム教徒であっても、憲法とシャリアの関係について十分な知識がある人は少数である。本書は、シャリアやイスラム法に関心を持つ人を含む一般社会の人々が、マレーシアの法制度について理解を深めるための概説書として、広く読まれることを目的に出版されたものである。
目次
第1部 マレーシア連邦憲法におけるシャリア(シャリアの語源;マレーシアはイスラム国家なのか;憲法におけるイスラム ほか)
第2部 法制度と法廷(法改革;シャリア法廷と民事法廷;シャリア検事と宗教の執行 ほか)
第3部 シャリアと社会(イスラム国家における非ムスリムの権利;「アッラー」の使用をめぐる論争;マレーシアへの愛 ほか)