出版社内容情報
漢詩文・漢学から拓く、革新的にして本来的な漱石像
「元来僕は漢学が好(すき)で随分興味を有(も)つて漢籍は沢山読んだものである。」(談話「落第」)
転換期に教養形成を行なった夏目漱石の思想・感性・文芸を漢文脈の受容と創造の観点から多角的に考察する論文集。
二松學舍大学SRF(文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成事業)シンポジウム「漢文脈の漱石」から始まる、漱石研究の新次元。
漱石と漢詩文─修辞と批評 ◆齋藤希史
〈文〉から〈小説〉へ ─漱石作品における漢語・漢文脈と読者 ◆北川扶生子
漱石の漢詩はいかに評価・理解されてきたか? ─近世・近代日本漢詩との関係性に着目して ◆合山林太郎
夏目漱石の風流─明治人にとっての漢詩 ◆牧角悦子
漱石文学の生成─『木屑録』から『行人』へ ◆野網摩利子
「友情」の中の漢文脈 ─転換点としての『草枕』 ◆山口直孝
漢学塾のなかの漱石 ─漱石初期文芸における「漢学者」 ◆阿部和正
夏目漱石の「趣味」の文学理論 ─価値判断の基盤としての「感情」 ◆木戸浦豊和
夏目漱石の禅認識と『禅門法語集』 ─「虚子著『鶏頭』序」・『夢十夜』「第二夜」・『行人』「塵労」を中心にして ◆藤本晃嗣
シンポジウム
「漢文脈の漱石」の記録
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