内容説明
『源氏物語』や『伊勢物語』に登場する斎宮は読まれ続け、また新たな物語にも斎宮は描かれる。切り捨てられがちな中世までを射程に収め、歴史学、宗教学からだけでは築けない「斎宮の文学史」を明らかにする。
目次
第1部(『伊勢物語』狩の使章段と日本武尊―「斎宮と密通」のモチーフをめぐって;『大和物語』の斎宮と『うつほ物語』;光源氏の流離と伊勢空間―六条御息所と明石の君を中心に;六条御息所を支える「虚構」―“中将御息所”という準拠の方法;「別れ路に添へし小櫛」が繋ぐもの―秋好中宮と朱雀院の恋 ほか)
第2部(『夜の寝覚』における前斎宮の役割;『狭衣物語』女三の宮の位置づけをめぐって;平安後期物語から見る大津皇子の物語の展開;『浅茅が露』の始発部をめぐって―退場する「斎宮」「皇女」;『海人の刈藻』における姉妹の論理と皇女たち ほか)
著者等紹介
本橋裕美[モトハシヒロミ]
1983年埼玉県生まれ。2006年東京学芸大学教育学部卒業。2013年一橋大学大学院言語社会研究科博士課程修了。博士(文学)。現在、日本学術振興会特別研究員、立教大学・津田塾大学等非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆずきゃらめる*平安時代とお花♪
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斎宮の本を読むのは何冊目だろうか・・。少し慣れてきた。上代の斎宮の始まり、平安時代あたりはわかりやすかった。タイトルは「斎宮の文学史」だろうが、サブをつけるとしたら「歴史と物語にみる斎宮」かな。斎宮があってこその物語。本当に斎宮は良きものだったのか。自由の利かなくなる皇女が多かったのでは・・。「源氏物語」の〈秋好中宮〉が一番、栄華をみたと思う。2017/04/28
レイトン
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仕事の必要性から、部分的に引用の為読みましたが、古典研究にこの切り口は必要だと感服。興味深かったです。 2021/10/28
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