感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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20
芥川は孤独の念が人一倍強かったが、周囲に友人は多かった。その友人への書簡などから芥川の生活や心中が見えた。初恋相手の吉村チヨは下女中で格式高い芥川家にあって許されるものではなく叶わぬ恋に終わる。約一年半後に才色兼備の吉田弥生と交際を始める。しかし養家の人々の激しい反対にあう。この失恋事件で、愛する人間同士の利害による対立から人間の信頼出来ない面を知ったことや、周囲の人々と自分自身の中にひそむエゴイズムの発見のかなしみ、やりきれない気持ちが『羅生門』という虚構の世界で現実の転位としたのではないかと述べる。2020/05/08
じゃくお
2
作家論の本を初めて読んだので新鮮なことが多かった。芥川龍之介の作品は全て読みましたが、作者本人についてはあまり知らなかったので勉強になりました。他にも芥川龍之介論を読んで[或阿呆の一生]を理解できるよう一応目指してみます。2016/05/28
しろくろ
1
装丁は美しい。研究内容については目新しいものは今の私にはあまり参考にならず。再読予定。2012/01/24