内容説明
ホテルのスイートルームに忍び込み、男たちへの絶望を感じながら二人の女が体を求め合う「白鳥」。両親が重病になり、一人暮らしを余儀無くされた少年。彼の肉体から抜け出た“ボーイ”が、暴力的な街を行く「ムーン・リバー」。キューバを愛した女が引き起こす恋愛を描く「或る恋の物語」他。絶望を突破してゆく者たちを捉えた鮮烈な小説集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こうすけ
15
村上龍短編集。全体的に気合いは抜け気味だったが、思ったよりもよかった。特にミエコについての連作は、これで長編を読みたい。2023/02/02
mer
14
大きな起承転結があるわけでもなく、結末にどんでん返しがあるわけでもない、平坦と言えば平坦な物語。淡々な語り口で物語は進んでいくが、読んでいてどこか不穏な、ふわふわとした気分に包まれているのに途中で気づく。知らない間にそれぞれの物語が出す独特の雰囲気に読者を包んでしまう村上龍のテクニックには感服させられる。村上龍の作品の中でも「人間味」が強く表れている作品だと思う。2020/08/07
miho
10
ああ、なんか好きだなあ、しっくりくるなあと思って読み進めてたら、ずいぶん昔の短編集のようで、私はやっぱり昔の村上龍が好きなんだなあと思った。2018/02/05
坂口衣美(エミ)
6
久しぶりに村上龍を読んだ。昔は滅茶苦茶好きだったのに、今はそれほどじゃないことに気づいた。なんだか「綺麗すぎる」というか理想が高すぎるというか…。弱さをバッサリ切り捨てられるような感じがするのだ。2014/04/10
tnyak
4
赤川美枝子、が主役の3編が心に沁みた。 2023/06/20