内容説明
夕陽をうけてキラキラ光る海を眺めながら、彼女はひとり、ギムレットを飲んでいた。もうじきやって来る年下の恋人に、最後の返事をするために…。新たな出会いの予感、昔の恋人の思い出。ほんのり苦く、どこまでも優しい十七杯の恋模様。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
greenish 🌿
29
(再々読)出逢いの予感と在りし日の追憶。カクテルにシェークされた、男と女の苦くて優しい17の物語 ---≪今はこのマルガリータをどんなに飲んでも、あの陽気なマリアッチは聴こえてこない。あの賑やかなサウンドを耳の奥によみがえらせたいと、思わず目をつぶった≫≪シャンパンは女、ビールは男、それがひとつに混ざり合って、とっても甘美なブラック・ベルベット。女が歌うようにそういったのは、いつの夜だったか。しかし、今夜の彼女はどこか遠くにいるようで≫目前まで迫った終わりの始まり、官能的に酔わせるオキさんがニクい…。 ⇒2017/06/19
世界
4
カクテルを主題とした男と女の恋愛短編集。 回想部分を除き、すべてがバーの中で完結する。 と聞くと「カクテル好きにしか楽しめないじゃないか」と思われるかもしれないが、そんなことはない。むしろこれはカクテル嫌いあるいは未経験者に勧めたい一作。かくいう私もギムレットがカクテルの名前であることすら分からなかった人間だ。でもそんな私でも凄く楽しく読めた。また構成もよくできていて、カクテルごとに章立てされているのだが、固有名詞はカクテルの名前しか出てこないので、余計な情報が入らず、すっきり読む事ができた。2018/10/18
hokuma
2
この雰囲気大好きです2009/11/28
greenish 🌿
1
(再読)出会いの予感のマティーニ、懐かしさがつのるギムレット・・・。バーに集う男と女の甘く切ない17の物語 ---蔵書整理して見つけた15年程前に読んだ本。懐かしい香りがしました。 とあるバー。そこにいるのは男と女とバーテンダー。傍らには魅惑のカクテル。シンプルな構図の中に、解説者曰く《散文詩》のような、時に温かく、時に切なく、時に残酷な物語が展開される。 ホワイトレディー《積もる胸の窓絵》、ピンクジン《あの日を溶かしていく酔い》・・・唐仁原教久の洒落た挿絵に添えられたオキさんの一言が彩りを与えます。2014/01/17
秋生
0
お酒といえばビールを思い浮かべるのがせいいっぱいだった子どもの頃に読んで、早くこういう大人たちの世界に入りたいと思っていた。語りすぎないところも格好いい。2023/12/02