内容説明
「マリファナを吸ってなぜ悪いんだ」煙に誘われ、僕は退屈な日本にサヨナラを告げた。タイ北部の秘境「黄金の三角地帯」、ヒッピー世界三大聖地のひとつネパールのカトマンズ、激しい内戦下のトルコ…。行く先々で手に入れた多種多様なドラッグがもたらす幻想と出会い。十九歳の初体験以来、放浪を続けた青春の旅行記、アジア・中近東編。
目次
韓国―朝の光・爽やかな風と素晴らしきマリファナ
フィリピン―売人とグルになっている賄賂警官の罠
香港―阿片中毒患者が消えた理由
中国―ジョイントをきめた太極拳は指先から気が流れでる
タイ―千年前の遺跡でブッダ・スティック
ビルマ(ミャンマー)―ハシシュが誘う熱帯樹のシルエット
インド―マリファナ初心者のための楽しい手解き
ネパール―ヒマラヤ山中に伝わる手作りハシシュの技を探る
パキスタン―ここでは酒=厳禁・ハシシュ=容認があたりまえ
イラン―ピュアでヘビーなヘロインは死者続出の魅力〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
活字の旅遊人
10
ふと思い出した。面白かったが、行動には至らなかった。
HIRO1970
9
★★★何とも大胆な書名でしかも上下巻・・・。この人は日本ではどうしているのか、何度も捕まっているとしか思えないぐらい三度の飯よりマリファナ好きな話として書いてあります。本当かな・・・。東京で大麻グッズ専門店を開いているそうですから本当なんでしょう・・・。何ともひとを喰った話ですが、世代的にはヒッピームーブメントの少し後のようですので残像の残っていた時代なのかも知れません。それにしても歳のいっている割には感覚があまりに捌けていて時代が20年ぐらい後ろにズレているような感じがするのは僕だけでしょうか・・・。2013/11/21
ぺーいち
8
マリファナに魅せられた著者が、あれこれキメつつアジア・中近東を旅する青春紀行。なにぶんリスクの高い遊びなので、今となっては「我も!」というわけにはいきませんが、乾いた煙が甘く立ちこめる本書は、考えさせられつつも愉快。2010/12/16
Holger
6
各国のドラッグを現地調達し、味わいながら、貧乏旅行を続ける旅行記。旅の目的が「その国で民衆に流通しているドラッグを、旅行者の立場で入手し、味わうこと」に特化しているため、話の枠組みはかなりシンプル。読書の感覚としては、(道徳的な問題は別にして)世界中の屋台や市場、家庭の料理を食べ歩くグルメ本に近い。タイトルにあるマリファナ以外のドラッグも登場。ハシシュ、ヘロイン、マジックマッシュルーム、コカイン等だが、著者の個人的な体験をふまえた各種ドラッグの違いや位置づけ、摂取の感覚についての整理が読みどころだと思う。2020/02/08
sibafu
6
沢木耕太郎さんの『深夜特急』+ドラッグ、という感じの旅行本。著者はマリファナ至上主義者のようだが、いろいろ他のものを試した軌跡がここには書かれている。上巻は韓国から始まり、中国、インドなどを経てエジプトまで。マリファナは大体の国で違法なようだが、その罪の重さ、入手のし易さなどがまちまちで著者が時には命をかけて手に入れる過程が面白かったりする。大胆でふざけたタイトルや装画だが、薬物についての知識や国の情勢などが書かれていたりして意外とまじめで面白い。2014/05/31