内容説明
ハードボイルド作家になるまでの知られざる軌跡を語る。生まれ育った玄海灘のはずれの小さな村。船乗りの父親に会いに行った時の横浜の港。肺結核に苦しみ、ゲバに明け暮れた学生時代。愛した女の突然の死。ＰＲ誌の企画編集をしながら、貪るように小説を書いたデビュー以前。喪失・希望・夢・挫折…。すべてを綴る作家の貴重な第一エッセイ集。
目次
港町
喧嘩控
日々の泡
ホテル
生命あるもの
ストリップ
副作用
走る
書く
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ツカモトカネユキ
2
1986年発行の著者のエッセイ第一作。発行前後の作品をいろいろと読んだあとなので、作品とのつながり、ネタもとがわかって興味深く読むことができました。作品のいろいろな部分が完全なフィクションでなく、ノンフィクションの部分も織り交ぜているのがよくわかります。その部分が広げてあったり、創造的な希望と絡みついていたり、再読すると「ああ、そうか」と思わせてくれます。この後に続くエッセイも読んでみたくなる、そんな一作でした。2019/05/25
