内容説明
天下の名碗、井戸茶碗の謎―日本では国宝ともなった茶碗の王者は、原産地・朝鮮ではどんな器だったのか?その製作時期、場所、用途など、多角的なアプローチから謎の名碗の真実に迫る。発掘調査の科学的解析と資料研究、土と炎を熟知した韓国人陶芸家の経験が導く、知られざる真実の数々。いま、ようやくにして、井戸茶碗はここまで明らかになった!訳者による現地訪問記「井戸茶碗の故郷を訪ねて」付き。
目次
序章 現代韓国と井戸茶碗
第1章 井戸茶碗の製作時期
第2章 井戸茶碗の製作地
第3章 井戸茶碗の用途
第4章 井戸茶碗=祭器説の問題点
第5章 井戸茶碗とは何だったのか
著者等紹介
趙誠主[チョソンジュ]
陶芸家。1944年、韓国忠清南道瑞山の生まれ。1967年、延世大学史学科を卒業。その後、陶芸の世界に進み、池順澤氏のもとで作陶修業。韓国ではまだ関心の低かった「茶沙鉢」を極めることを生涯の道と定める。1975年に独立し、宝林陶苑を開窯。1980年頃より、日本各地で個人展を開催
多胡吉郎[タゴキチロウ]
作家。1956年東京生まれ。1980年、NHKに入局。ディレクター、プロデューサーとして多くの番組を手がける。2002年、ロンドン勤務を最後に独立、英国に留まって文筆の道に入る。2009年、日本に帰国(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たつのすけ
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◎2022/02/18
テプコにゃん
0
アツすぎて一気に読んでしまった2022/01/06
Ayumu Kobayashi
0
日本の茶道界では最高の名碗とされ、国宝になっている名品もある井戸茶碗。が、生まれた地である韓国では文献も現物も皆無、まったく素性がわからないという井戸茶碗。その出自をわずかな手がかりを元に考察していく様はとても面白い。正確な歴史背景への理解と、自身陶芸家であることからくる技術的知見や経験を合わせて既存の井戸茶碗祭器説を論破していく。訳者によるエピローグは著者と井戸茶碗の故郷とされる熊川窯址を訪れ、歴史的過去と現在を照らし合わせながら思いを馳せる紀行文。論理的な本文と情緒的なエピローグでいいバランスだった。2020/02/22
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